講演会の配布資料はどう準備する?講師スライドの印刷・配布と事前確認のポイント
講演会の準備を進めるなかで、主催者からよく確認したくなるのが「講師の資料を参加者へ配布できるのか」という点です。
当日スクリーンへ投影するPowerPointやスライドがあると、「事前にデータをもらって印刷しておこう」と考えることもあるかもしれません。しかし、講師が当日使用する投影用資料と、参加者へ配布してよい資料は必ずしも同じではありません。
講演内容によっては、投影用スライドを事前に共有することで内容のネタバレにつながる場合もあります。また、講師自身のPCを使用する場合は、そもそも投影用資料を主催者へ事前提供しないケースもあります。
この記事では、講演会の「投影用資料」と「配布資料」の違い、資料を受け取るタイミング、印刷方法、PowerPointを配布したい場合の確認方法など、主催者が知っておきたい実務上のポイントを整理します。
「投影用資料」と「配布資料」は分けて考える
講演会資料を準備するうえで、最初に押さえておきたいのが「講師が当日投影する資料」と「参加者へ配布する資料」は別物として考える、ということです。
投影用資料は、講師が講演を進めるためにスクリーンへ映すスライドです。一方、配布資料は、参加者が手元で見ることを前提として講師側が配布を認めた資料です。
投影用資料に含まれるすべてのページが、そのまま配布可能とは限りません。そのため、主催者側で資料を入手していたとしても、講師側の確認なく印刷・配布しないことが大切です。
講演会LABO 実務メモ
講演会資料については、「当日使う資料だから事前にもらえる」「データがあるから参加者へ配ってよい」と考えないことが重要です。
講師が当日見せる資料と、参加者へ渡してよい資料は別物です。まず配布の可否を確認し、配布する場合は講師側が認めた資料を使用する。この整理をしておけば、主催者側も安心して準備できます。
講師自身のPCを使う場合、投影資料を事前提供しないこともある
講師が自身のPCを会場へ持ち込み、そのPCからスクリーンへ投影する場合、投影用のPowerPoint等を主催者へ事前提供しないケースがあります。
実際にこれまで対応している講演でも、主催者側のPCを使用しない限り、講演用スライドそのものを事前提供していないケースがあります。
理由の一つは、講演前に資料を共有することで内容のネタバレにつながる可能性があるためです。講演は、スライドだけではなく、講師の話し方や展開も含めて構成されています。そのため、投影用資料の事前提供に消極的な講師がいることも理解しておくとよいでしょう。
一方、主催者側のPCで投影する必要がある場合は、機材運用上、事前にデータを受け取る必要が出てきます。この場合も、資料の取り扱いや参加者への配布可否は別途確認します。
配布希望資料がある場合はPDF等で主催者へ提供
講演用スライドとは別に、講師側から参加者へ配布したい資料がある場合は、主催者へ事前にデータを提供します。
これまでの実務では、配布資料がある場合、PDF形式で主催者へ共有し、主催者側で必要部数を印刷してもらう形を取っています。
配布資料の例としては、講演内容を補足する資料や、参加者に持ち帰ってもらいたい案内資料などが考えられます。どの資料を配布するかは講師・講演内容によって異なります。
大切なのは、主催者側が投影用スライドから独自に配布資料を作るのではなく、講師側が配布を認めたデータを使用することです。
配布資料は開催1週間前を一つの目安に
配布資料がある場合は、主催者側で印刷する時間を確保する必要があります。
そのため、講師側から配布資料を提供する場合は、開催1週間前程度を一つの目安として主催者へデータを渡せると、準備を進めやすくなります。
基本的な流れは次のようになります。
- 1.講師側で配布資料を確定
- 2.開催1週間前程度を目安にPDF等を調整窓口へ共有
- 3.調整窓口から主催者へ送付
- 4.主催者側で印刷方法・必要部数を確認
- 5.必要人数分を印刷
- 6.当日、受付や座席等で参加者へ配布
もちろん、資料の完成時期や講演内容によって前後する場合はあります。主催者側に印刷工程があることを踏まえ、配布資料があるかどうか自体を早めに確認しておくことが大切です。
配布資料の印刷は基本的に主催者側で行う
配布資料を参加人数分準備する場合、基本的には主催者側で印刷してもらう形が実務上スムーズです。
講師側または調整窓口からPDF等のデータを送り、主催者が参加予定人数に合わせて必要部数を印刷します。
このとき確認したいのが、次のような印刷条件です。
- カラー/モノクロ
- 片面/両面
- 1ページを1枚で印刷するか
- 複数ページを1枚へ集約するか
- ホチキス留め等が必要か
- 必要部数
印刷方法について講師側に指定がある場合は、その条件を確認します。一方で、カラー印刷や大量印刷にはコストがかかるため、特に指定がなければ主催者側の意向や運用に沿った方法を選ぶのが現実的です。
カラー印刷でなければいけないとは限らない
配布資料に写真や図表が含まれていると、カラーで印刷した方が見やすい場合があります。一方、参加人数が多ければ、カラー印刷は主催者にとって大きなコストになることもあります。
そのため、「講師資料だから必ずカラーで印刷しなければならない」と考える必要はありません。
講師側に印刷方法の指定があるかを確認し、指定がなければ、モノクロ・両面印刷など主催者側の予算や運用に合わせて調整する考え方でよいでしょう。
資料の内容上、カラーでなければ意味が伝わりにくい場合などは、その点を講師側から主催者へ伝えておくと判断しやすくなります。
投影用スライドを主催者判断で印刷・配布しない
主催者側が投影用PowerPointやPDFを保有している場合でも、その資料を参加者へ自由に配布してよいとは限りません。
たとえば、主催者側のPCを使用するために講師からPowerPointを預かったとしても、その目的は「会場で投影するため」です。参加者への配布許可まで含まれているとは限りません。
そのため、参加者から「今日のスライドをもらえますか」と要望があった場合も、その場で主催者判断で配布を約束せず、まず講師側へ確認します。
配布可能な場合は、講師側から指定されたデータや方法で準備します。
PowerPointをそのまま参加者へ配りたい場合は?
主催者から「講師が使うPowerPointを参加者にも配布したい」と相談されることがあります。
その場合は、次のように考えるとよいでしょう。
「投影用資料と配布可能な資料は必ずしも同じではありませんので、まず講師側へ確認します。配布可能な場合は、講師側から指定されたデータ・方法でご準備ください。」
講師側が配布を認めた場合でも、投影用PowerPointそのものではなく、配布用にページを限定したPDFなど、別のデータが提供される可能性もあります。
どの形式・範囲で配布できるかは講師によって異なるため、個別に確認します。
講演資料の事前提出を求められたらどうする?
主催者側の運営上、「講演資料を事前に提出してほしい」と依頼される場合もあります。
この場合も、まず何のために資料が必要なのかを整理するとよいでしょう。
- 主催者側PCで投影するため
- 映像・音声等の動作確認をするため
- 参加者へ配布するため
- 主催者側で事前確認するため
目的によって必要なデータや確認事項が異なります。
特に講師自身のPCで投影する予定であれば、投影資料そのものを事前共有しないケースもあります。資料提出が必要な理由を確認したうえで、講師側と調整します。
主催者側PCを使う場合に確認したいこと
主催者側PCで講演資料を投影する場合は、事前にデータを受け取るだけでなく、当日の表示や動作に問題がないか確認しておくことが重要です。
たとえば、動画や音声が含まれている場合、ファイルの保存方法やPC環境によって正常に再生できない可能性があります。
そのため、資料の受け渡しとあわせて、当日のPC、接続方法、動画・音声の有無なども確認します。
なお、こうした機材面の確認と、資料を参加者へ配布してよいかどうかは別の確認事項です。
講演会資料で主催者が確認したい5つのポイント
- ① 当日の投影は講師PCか、主催者PCか
- ② 投影用資料の事前提供が必要か
- ③ 参加者への配布資料はあるか
- ④ 配布資料がある場合、いつ・どの形式で提供されるか
- ⑤ 投影用資料を参加者へ配布してよいか
この5点を講師側・調整窓口と確認しておけば、「資料が届かない」「印刷が間に合わない」「配布してよいと思っていた」といった認識のずれを防ぎやすくなります。
講演資料・配布資料の準備チェックリスト
投影資料
- □ 当日は講師PC・主催者PCのどちらを使用するか確認した
- □ 主催者PCを使用する場合、資料の受領方法を確認した
- □ 動画・音声の有無を確認した
- □ 会場でのPC・プロジェクター接続方法を確認した
- □ 投影用資料の事前提供可否を確認した
配布資料
- □ 参加者への配布資料があるか確認した
- □ 投影用資料と配布資料を分けて考えている
- □ 配布可能なデータを講師側から受領した
- □ 開催1週間前程度を目安に印刷準備へ入れるか確認した
- □ 必要部数を確認した
印刷
- □ カラー/モノクロを確認した
- □ 片面/両面を確認した
- □ 1ページ1枚/集約印刷を確認した
- □ 講師側から印刷方法の指定がないか確認した
- □ 指定がなければ主催者側の予算・運用に合わせて決定した
配布可否
- □ 投影用スライドを主催者判断で配布しない
- □ PowerPointの配布希望がある場合、講師側へ確認した
- □ 講師側から指定された配布データ・方法を使用する
講演会の配布資料についてよくある質問
Q.講師のPowerPointは事前にもらえますか?
必ず事前提供されるとは限りません。講師自身のPCで投影する場合など、講演内容のネタバレを避ける観点から事前提供しないケースもあります。主催者側PCを使用する場合は、運用上必要なデータについて講師側と調整します。
Q.投影用スライドを参加者へ印刷して配ってもいいですか?
主催者判断では配布せず、まず講師側へ確認します。投影用資料と配布可能な資料は必ずしも同じではありません。
Q.配布資料はいつ頃もらえばいいですか?
主催者側で印刷時間を確保するため、配布資料がある場合は開催1週間前程度を一つの目安として受領できると準備しやすくなります。
Q.配布資料は誰が印刷しますか?
これまでの実務では、講師側・調整窓口からPDF等を提供し、主催者側で参加人数分を印刷してもらう形を基本としています。
Q.配布資料はカラー印刷が必要ですか?
講師側から指定がある場合は確認します。特に指定がなければ、印刷コストも踏まえ、モノクロや両面印刷など主催者側の意向に沿って調整する考え方でよいでしょう。
Q.参加者から講演後にスライドが欲しいと言われたら?
その場で配布を約束せず、講師側へ配布可否を確認します。配布可能な場合は、講師側が指定したデータや方法で対応します。
Q.主催者側PCを使う場合は何を確認しますか?
資料の受け渡しに加え、PowerPoint等の表示、動画・音声、プロジェクターへの接続などを確認します。ただし、データを預かることと参加者への配布許可は別です。
講演資料・配布資料の調整も相談できます
「講師のPowerPointを事前にもらえるのか確認したい」
「参加者へ資料を配布したいが、どこまで可能か分からない」
「配布資料の印刷方法を講師側へ確認したい」
「主催者PCを使うため、資料の受け渡しや動作確認を調整したい」
そのような段階からでもご相談いただけます。
講演会LABOでは、講師の選定・依頼だけでなく、講演資料の受け渡し、配布可否の確認、印刷方法、当日のPC・会場設備など、主催者と講師側の間で必要となる実務調整についてもサポートします。
講演会資料で大切なのは、「データを持っている=自由に配布できる」と考えないことです。講師が当日見せる資料と、参加者へ渡してよい資料を分け、事前に確認したうえで準備する。それだけでも、資料をめぐる認識のずれを大きく減らすことができます。
講演会のこと、まずはお気軽にご相談ください。
講師選び、テーマ、予算、開催準備など、講演会にはさまざまな検討事項があります。
「講演会を開催したいけれど、何から始めればいいかわからない」
「目的は決まっているけれど、どんなテーマ・講師が合うかわからない」
「企画から当日運営まで相談したい」
そんな段階から、お気軽にご相談ください。
開催目的や対象者、ご予算、時期などをお伺いしながら、一緒に方向性を整理します。
講演会LABOへのご相談、開催目的の整理、講師選定に関するご相談について、相談料・紹介手数料等を主催者様からいただくことはありません。
※イベント全体の企画・制作・運営等をご依頼いただく場合には、ご依頼内容に応じて別途お見積りいたします。